2016年6月

「不均衡な公共事業発注がブラック企業を産む。(公共事業発注の平準化問題)」

6月は朝から夕方までずっと議会にこもり、とことん市内の様々な団体の皆さんと意見交換を行う「要望ヒアリング」が開催されています。

建設業や不動産業といういわゆる業界系の皆さん、精神や身体などそれぞれの障がい者団体の皆さん、豆腐屋さんの団体、幼稚園、保育園、認可外保育室の皆さん、行政書士、税理士、水道、下水道、道路舗装などの皆さん、それこそ様々な市民の皆さん、その数49団体。僕は自民党横浜市連の政調副会長として要望ヒアリングの司会を担当していますが、1週間やっても終わりません。

アベノミクスを成果を横浜でもじわじわと実感したのは公共インフラ系の会社で、確か5年前に僕が議員になったときの初めてのヒアリングの際は「仕事がない!どうにかしてほしい」という話が総じて主な要望だったと覚えているのですが、今は逆に「仕事があるけど人手がいない!」という状況です。アベノミクスが失敗しているとかいう話をよく聞きますが、こういった様々な立場の現場の人たちと突き詰めて意見交換をしてみると、人不足で人件費は高騰しているものの、確実に仕事量は増えているので、そこを相殺しても、そんなにまずくない状況だというのが実感です。

人手不足はインフラ系だけでなく、福祉、子育てなどどの業界でも共通しており、これは益々女性だけでなく高齢者の社会復帰が望まれているなと思いました。元気な高齢者の皆さんには、孫のお小遣いを稼いでいただくためにも、社会に貢献しながら働いていただきたいと思っています。主力は若者が担い、高齢者がそれを支える。地域に置き換えてみれば、公園管理やちょっとした道普請など、横浜市でも既に多くの高齢者の皆さんが活躍していますが、もっともっとお任せしていけば、地域にとっても高齢者にとっても、特に男性退職者の地域の居場所という面でもプラスだと思います。ちなみに僕の父親は定年退職後に横浜市の公園の管理を手伝っていて、それが今の生き甲斐になっています。

さて、この1年、僕ら自民党の政調会では、「公共事業の発注の平準化」に力を入れて取り組んできました。よく年度末になると道路工事が増えるみたいな、あれです。一般の市民の皆さんもある時期に工事が集中してない?と思うくらいですから、請け負う会社としてはかなり深刻です。

今日も公共事業を請け負う会社の方々とお話をする中で、なるほどなと思ったことは、公共事業の発注がある時期に集中すると、いきなりその時だけ人を雇うわけにも、会社の余力的にも募集的にもいかないので、いまの人員で請け負えば仕事量が集中し、実情としては従業員も大幅に残業せざるを得ない。そこで働いている人にとってみれば「これブラックじゃん!」という話になり、労基に訴えられ、離れていってしまうケースもあるそうです。まさに公共事業のある時期の集中化が結果的にブラック企業を生んでしまうということです。

発注の平準化問題は、実は契約上の問題だけでなく社会問題なんだと、現場の声を聴いてよくわかった次第です。物事はそう単純ではありませんが、公共事業がブラック企業を産んでしまうことは避けなければなりません。これからも更に改善に取り組んでいきたいと思います。

自由民主党神奈川県第19選挙区支部支部長
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