「中国のFCVは水素と電気のハイブリッドFCHVで来る!【中国水素出張報告】」
4月18日~21日まで中国に水素の関係で出張していました。
今回の中国水素出張の目的は、上海で開催された第6回中国(上海)国際技術輸出入交易会における水素をテーマとした横浜市の参加と僕自身のオープニングセッションの参加。そしてもう1つは中国の水素の現状を知る視察です。昨年11月に訪問した上海市嘉定区と広州仏山市南海区を訪問しましたが、半年間でまた新しい動きがありました。中国の水素社会の進め方、半端ないです。
上海では昨年11月にみた上汽大通汽車のFCV(バン・初の商用量産FCV)が実際に走り、また、まだ未発売のセダンも試乗することができました。
水素ステーションについては70mphが中国のスタンダードになればMIRAIにとっていいですが、そもそも上海汽車以外にFCVメーカーが中国国内13社あるそうで、購入補助と、グリーンナンバー(上海ではそもそも車両規制のためナンバープレートとるのに100万円くらいかかるらしく、環境適用車だとそれが無料らしい)制度などの運用で2020年までにFCV3000台普及させるという上海の目標は達成させられるかもしれません。
また、今回は同じ嘉定区の同済大学を訪問することができました。ここが中国におけるFCVの研究拠点で、国のFCVエンジニアリング研究センターが入っています。
2001年に同大学がFCHV試験車超越1号を開発して17年。上海汽車のFCVがFCHVなのは、同じ嘉定区内にある同済大学の研究所がずっとFCHVの研究をしていたからで、状況からよくわかりました。
日本ではトヨタもFCHVの研究をしていましたが、結局トヨタは水素燃料電池のみのFCVで進んでいます。どちらがいいのか専門家から聞いてみたいところですが、上海のこの地域が今後の中国のFCV市場の行方を左右することは間違いありません。
また、同済大学は中国におけるIPHE(水素・燃料電池に関わる各国の政策立案組織が参加する国際協力枠組み『国際水素・燃料電池パートナーシップ』)の事務局を担っており、中国代表としてこの国際会議に参加しています。僕が3年前にIPHEに参加した時もこの大学から参加されています。恐らくこの大学から、水素の自動運転車が出る日も遠くないと思います。
上海から飛行機で広州に飛び、空港から車で1時間。仏山市南海区(262万人)も訪問しました。
南海区は上海同様、中国全土に5つある「中国水素燃料電池自動車商業化発展プロジェクト」の採択地でもあり、中国初の商用ステーションが稼働しています。2月には区長以下皆様が横浜市の水素の取り組みを視察いただいており、楽しみにしていました。
仏山市南海区では2018年までに水素ステーションを8つ整備し、15台のFCバス、500台のFCトラックの投入を、また、2019年には30台のFCバスと、1000台のFCトラック投入を計画しています。水素関係企業も集積させ、44㎢の仙湖水素バレーの建設も計画しています。
区長以下、水素で街を興していくという気概がとても高いです。区民所得は横浜市より高く、地下鉄も何路線も走り、イオンモールも進出した歴史ある新しい街に水素はぴったりです。
さて、中国の水素社会の広がり、皆さんには少しでも届きましたでしょうか。「中国はEV」という情報に固まっていませんか?そもそも、中国のこと知ろうとしていますか???
政治家をやっている上で、特に責任ある自民党の政治家をやっている上で一番やってはいけないことは「知ろうとしないこと」です。
14億人の中国が動けば、好む好まざるにかかわらず、世界が動きます。中国のみならず、世界のトップレベルの自治体と連携しながら水素社会を牽引できるところまで横浜はきたのですから、ここは止まらず進むべきです。